zowのプログラムな日々

日々のプログラミングとか

映画におけるハッカー表現とクローラ

5/6になってGWも終わったなー、なんて思ってたら今日までがGWらしい。振替休日なんだそうだ。いつの振替休日なんだろうか。

GW中に治したかった風邪だが、痛みが胸から喉に上がってきたので、どうやら重篤化は回避できたらしい。と言っても普通の風邪に戻っただけなので、もうちょっと安静にしていたい。まぁ痰の切れがよくなってきたし完治も近いと思う。

そんな病床の中、AppleTVでHuluを見てる日々が続いてるのだが、病床で見る映画は気を使う。じっくり見てる訳ではなく流して見てる程度なので、万が一面白かった場合に後悔する。再度見なければならないからだ。だからと言ってつまらない映画を見るつもりもない。そういった理由で以前見たけども記憶から消えかかっている様な映画を選んで見るようにしている。

そんな無難っぽい映画選びをしている中、一本の映画を見つけた。「ソード・フィッシュ」だ。ご都合主義と歪んだ勧善懲悪な、いわゆるアメリカ映画の代表とも言えそうな映画だ。つまらないと言っている訳じゃない。娯楽大作ということだ。ジョン・トラボルタは好きだし、話の筋もそこそこ面白い。ただ非常に残念な部分がある。ヒュー・ジャックマン演じる主役である。

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ヒュー・ジャックマンアメリカ在住の「凄腕ハッカー」の役だ。凄腕ハッカーなのにブラインドタッチがめちゃくちゃな上、3DCGでワームを組み上げるという謎技術を使う。ワインを飲みながら複数のモニタに囲まれた部屋で複数のキーボードを駆使してワームを組み上げていくのである。画面には3DCGのワームらしきものが表示されている。キーボードを連打してるのだがどうやらプログラムを組んでいるんじゃないらしい。だがネット上のPDP-10に隠してあるソースコードを利用しているらしい。なんか意味不明でむちゃくちゃである。

まさに冒頭のトラボルタのセリフをそのまんま表現していると思う。ハリウッド映画はクソみたいな映画ばかり作ってる。リアリズムが欠如しているのである。

そんなアメリカ映画でもハッカーというかギークっぽさを忠実に出している映画もある。マトリックスである。アクション映画的な面が多く取り上げられる映画であるが、ハッカー的表現で非常にマニアックな演出がされている。

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マトリックスシリーズの中でマニアックなハッカー的演出で有名なのは2作目であるリローデッドでトリニティが発電所にハッキングする手法である。nmapでsshなアレである。だが映画が公開された年は2003年で、世間はOpensshを使ってて既にssh1なんて使ってる人が皆無なので、そんな古いの使うかねーなんて思ったものである。そんなもの使ってるのはsshが使えるターミナルソフトとしてTeratermが普及してるけどもssh1しか対応していなかった日本ぐらいなんじゃないかと。

私が思うに、マトリックスで一番ハッカー的な演出として秀逸なのは1作目の冒頭だと思う。

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ネオが机で居眠りしている中、自動でWebを巡回しているクローラらしきものが動いている場面である。まさに映画のつかみと言うべきシーンだが、この時、止まってしまったクローラを前にネオが取った行動が秀逸である。Ctrl+xを押すのである。その後Escを押す。これは明らかにEmacs使いの習性である。Winの人ならAlt+F4押してからCtrl+Escかもしれないが、Ctrl+xを押すという何気ない行動だけでハッカー的表現をしているという秀逸な演出である。きっとこのシーンを見た世界中のEmacsユーザ達の心はわし掴みにされたのではないか、と思ったものである。

映画におけるハッカー的表現で重要なのは

  • キーボード操作(ブラインドタッチ)
  • コンピュータの自律的動作

この2点だと思う。なんかよく判らないけど、勝手に画面の中でコンピュータが動いているという場面で何かハッカーっぽさを感じてしまう。マトリックスで言うなら、まさにクローラが動いてる画面がそれである。勝手にWebを巡回するコンピュータ、それに夢を感じてしまうのである。

なんて事を「ソード・フィッシュ」を見ながら考えてた。俺の作るクローラには自律的に動いてますよー的な表現が無いなぁ、なんて病床の中で真剣に考えてしまった。ログ吐かして別画面でtail -fしよっかな。